ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

RATPのデザイナー

正月休み中に新聞でチラッと読んで初めて知ったのだけど、RATP(パリ市交通局)のデザイン主任って、日本人(日系フランス人?)なんですね。カミナガイ ヨウさんというらしい。RATPで既に10年ほどデザインを担当しているとのこと。新聞をもう捨ててしまったのでうろ覚えなんだけど、この人(のチーム)がデザインしたメトロのゴミ箱はお尻の形をしているらしい。…えーあの銀色のやつ?



↑これ。お尻…と言われると、うーん、そうかも?


てなわけでちょこっと調べ物してみた。
RATPはデザインと文化計画チーム(l’Unite Design & Projets Culturels a la RATPというものを展開していて、そもそもの始まりは1889年の Hector Guimard エクトル・ギマールに遡る。当時における“現代”芸術・アール・ヌーヴォーの代表作とされるギマールのメトロ入り口*1ですが、それはやはり100年前の“現代”。人口も増え改善が要求される場所を、“現代”の人が使いやすくなるにはどうしたらよいか?それを考えるのが彼らの仕事です。
2005年にNavi GOでL'Observeur du Design*2を受賞したRATPが求めるものは”ヒューマン”なデザイン。パリという大都市において必要不可欠な、しかし機械的になりがちな交通機関において、あえて快適さと人間性を求めるにはどうしたらよいのかを常に考えているのだそうです。


▽カミナガイ氏の仕事紹介記事 en 1999(仏語)→Strategies.fr内ページ
ゴミ箱が「わたしにあなたのゴミを捨てて」って言ってるみたいでしょ*3と、お尻型ゴミ箱の説明をしています。このゴミ箱もL'Observeur du Design賞受賞してるみたい。


▽上記記事と同じ1999年に運輸セミナーなるものが開催されていたらしい→財団法人運輸政策研究機構内ページ


▽カミナガイ氏へのインタヴュー記事 en 2005(仏語)→admirable design.com内ページ





↑ちなみに普段メトロのゴミ箱はこんな感じ…。

*1:今でもパリの各所に残っています。

*2:企業とデザイナーのコラボレーションによって実現した最も良いデザイン品に与えられる賞。A.P.C.Iが1999年から開始。

*3:La nouvelle poubelle de Meteor a l'air de dire au voyageur: "Jette-moi ton vieux papier"