ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

パリ旅日記<2日目>

◯。2010年2月23日(火):墓と音楽

基本的にどこでも熟睡派のわたし。時差ボケは殆どないのですが、夫はやや時差ボケなのか、昨夜0時過ぎに寝たのに朝6時半に起床。早い。2月末のパリの日の出は8時半頃なので、まだ暗い。7時過ぎたらパン屋も開いてるだろう、ということで、つられて目覚めたわたしも一緒に7時過ぎに朝の散歩に出かけることに。中心地に宿泊しているので、とりあえずポンピドーのあたりまで行ってぐるっとまわり、商店街であるモントルグイユを通って帰ろうということに。

   

1枚目)まだ暗いパリの朝。暗くても朝は朝なので、出勤する人たちが。
2枚目)薬局のショウウィンドウにキティが。すっかり定着したみたいです。
3枚目)レ・アル(わたしの中では「パリの池袋」)は若者の街なので、とりあえずショウウィンドウは割れてる。


  
レ・アルの裏にはサン=トゥスタシュ教会。開店準備をしているカフェなどを見ながら南下し、サントル・ポンピドー(ボブール)まで来ました。大好きな絵本「リサとガスパール」シリーズの、リサの住まいです。この中にリサとその家族が住んでるんだわ〜。想像するだけで可愛い。


夫がお腹がすいて我慢できない〜というので、朝から開いてたボブールそばのサンドイッチ屋さんで鶏肉とトマト&モッツァレッラのサンドイッチを注文。ルッコラも入ってて最高の組み合わせです。美味うま。
そしてこのサンドイッチ屋、お手軽クレープ屋も兼ねている場合が多くこの店も然り。巨大ヌテラがででーんといました。うちにもこの業務用ヌテラ欲しい。
  歩きながらサンドイッチを食べつつ、これからもっと歳を取ったらこうやって一緒に朝の散歩をするのもいい気持ちだなぁなんてことを話す。でもそのためにはこうやって歩きながらパンを買ったりカフェに入ったりできる環境じゃなきゃ面白くないから、やっぱり歳取ってから田舎に住む案はなしね、という結論に。あー湯水のようにお金があったら今すぐリタイアしてパリに住むのに。
近所のパティスリーで普通のクロワッサンとアーモンド入りのと2種類買って(キッチュな豚ケーキはこのお店の)、いったん部屋へ戻る。アーモンド入りのを食べた夫は、その美味しさに大興奮してました。朝食を済ませ、シャワーを浴びてお化粧をしたらさぁ出発。今日はまずモンパルナス墓地へ行きます。


メトロ13番線のゲテで下車し、エガル=キネ方向に歩く。ゲテ周辺はは芝居小屋とクレープリーの多い地区です。エガル=キネ大通りに面した正面入り口から墓地へ。入り口に有名人墓マップがあるので、それで見たい有名人の場所をチェックして進みます(または守衛さんに言って印刷された地図を貰う)。夫の目当てはゲンズブール。彼の墓は中心地から少し行った大きな道に面しているのであっという間に発見。未だ衰えぬ人気で、お供えの植物が青々している。煙草、キャベツ、バラ、似顔絵などいろいろなものがお供えされている。夫も煙草で合唱。
  
ゲンズブールを見つけたあとは、わたしの目当ての墓探し。わたしが見たかったのは『さかしま』の作者J.K.ユイスマンスとマン=レイ。もっと色々いたと思ってたんだけど、どうやらペールラシェーズ墓地(20区)のほうだったみたい。で、この2人がまぁー見つからないこと!一番大変だったのはユイスマンス。やっぱり19世紀はなかなか顧みられなくなってるのかしら。ちょっとしょんぼり。マン=レイも苦労したけど、ユイスマンスに比べればまだ楽でした。以前見に来た時の記憶(白っぽくて写真が飾られてた印象)がまだ何とかあったし。
墓地見学のあとは、駅そばにてカフェ&トイレ休憩。そしてレコード屋巡りにつきあわされる。まずはサン=ミッシェル界隈から。

サン=ミッシェル地区ではとりあえず王道のGibert Joseph(34, boulevard Saint Michel, 75006)、BOULINIER(20, boulevard Saint Michel, 75006)、Silly Melody(14, boulevard Saint Michel, 75006)の3件へ。アシッドフォーク、ブラジル、あと70〜80年代フレンチを探しているうちの夫はSilly Melodyで大物見つけたみたい。これだけでも弾丸トラベラーなパリ旅行で大成果らしい。良かったね♡
わたしはジョゼフで、ずーっと欲しかった《Triplette de Belleville》のDVDを発見し購入。ひょー嬉しい。あと黄色い方のジベールでブロックメモとノート、そしてボールペンを購入。

そろそろお腹が空いて来て、お昼どうしようかー?という感じに。最後に行きたいレコ屋がクリシーだというので、じゃあお昼はもう絶対アンディアナ!と即決、クリシーへ移動する。せっかくなので観光名所を通る95番バスに乗って北上してから左へ曲がってクリシーに行きましょう、と思い、サン=ミッシェル広場からバルベスまでバスに乗ることに。
バスもメトロと同じくここにNAVi GOをタッチさせます。パリのバスは、基本前から乗って後ろから降りるのですが、95番バスは乗客が多い路線なので蛇腹でつないだ2両編成のため、真ん中から乗ってまたそこから降りるのが容易。つまり無賃乗車率も高いのですが、運転手本人は別に自分の給与に響く訳ではないので割と黙認。ただしコントロールがはいると高い罰金が待っているので、面倒くさがらずにタッチまたは切符を通しましょう。


さて、サン=ミッシェル橋→シテ島→シャンジュ橋とセーヌ川を渡って18区のバルベスまで来たら、ロシュショアール大通りとクリシー大通りを透30番バスに乗り換えます。バルベスのあたりはアフリカ人街なので、夫ちょっと臭いにまいっている。バスは混んでて暑いから余計にクルのかも。わたしとしては、昔この辺に住んでたんだよ、とかこの道ををまっすぐ行くとおいしいパン屋さんがあってね、とかセックスショップの中でも《アメリ》で出てたのはあそこだよ、とか色々話したかったんだけど、がまん。
クリシー広場にバスが着いて、やっと解放され一服する夫。歩き煙草ができるってすばらしい。さて、ではようやく遅い(14時過ぎ)お昼にしますか、ということでアンディアナへ。アメリカーンなカフェレストランなのですが、ここにはわたしのお目当てのブルーチーズハンバーガーがあるのです。もちろんわたしはそれを注文。夫はお店の名前がついてるやつだったかな?半分こしてたべました。ぷはー美味しい。まんぷく。


さて満腹になったらまたレコ屋。クリシー広場の近くのGroove Store(29, rue des Dames, 75017)お店が狭いのでわたしは外で待ってた。お店の場所を調べてた時はアメリカ、ヨーロッパ、ブラジルのレコードがあるって紹介されてたんだけど、HP見るとブラック系な感じ。夫は多分いいジャズがありますようにと思いながら行ったんだと思うけど、残念ながら収穫無しで出て来た。
で、外で待ってたわたしはレコ屋よりもむしろその隣のレトロな風呂桶屋に夢中。だって、バスタブにナイフを持ったマネキンが!なんでー!?しかもお店の中を除いてみると、店主はごく普通そうなおじさん。。。普通に見えて実はすごいホラーマニアとかなのかなぁ??

一通りレコ屋巡りを済ませたた次は、わたしの絵本探しにつきあってもらう。で、この日はまずサン=ジェルマン・デ・プレに行くことに。バスに乗ってる時に、2003年以来愛用していたパリ地図が鞄の外ポケットからなくなっていることに気づく。ショックー!クリシー広場で落としたんだ。。。レストランの住所とかお店の場所とかがポイントしてある愛用の地図だっただけにがっくり。
しかたなく1件目の本屋L'ecume des pages(174, boulevard St-Germain, 75006)で絵本2冊と一緒に最新版のParis Pratiqueを購入。次にLa Hune(170, boulevard St-Germain, 75006)に行くが、珍しくわたしの欲しい絵本も図録も無かった。ここなら探してる図録があると思ったんだけどな〜。残念。

せっかくサン=ジェルマン・デ・プレに来ているのに、カフェしようにも液体すら受け付けないくらいお腹がいっぱいで、フロールもドゥマゴも通り過ぎる。寂しい。そういえばまだ教会に入ってないね、という話になりサン=ジェルマン・デ・プレ教会に入ることに。20世紀の彫刻だけど、このひょろ〜っとしたサン=ジェルマンが好き。
教会見学後いったん部屋に帰って荷物を置く。そのあとスーパーにて飲み物とデセール(といってもわたしの大好きなPetite Suisseと蜂蜜)を買って、20時頃Mちゃん夫婦宅へ。先に来ていたMと喋ったり、Mちゃんの子Yと遊んだりしながらKさん(Mちゃんの夫)の帰りを待つ。21時ごろ帰って来て、いざご飯〜☆Mちゃんの手料理をたくさんごちそうになって、はち切れそうな腹になる。メインの料理が終わった時点でかなり苦しかったからおかわりは辞退したんだけど、そのあとさらっと「じゃあチーズにしようか」って言われた時に「うわーやっぱりパリの人だー!」と思いました。日本人、この満腹度でチーズは無理です。でも食べたけどね、だってKさんがセレクトしてくれたチーズに興味あったんだもの。山羊チーズは強烈でした。こんな強いの、住んでた時も食べたこと無い。しかし食事が済んでみるとやっぱり食べ過ぎで、あんまり苦しいので歩いて帰って消化させる。