ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

ルーヴル美術館展

仕事がお休みだったので、最終日のルーヴル美術館展@国立西洋美術館 を見に行ってきました。最終日の混雑を覚悟していったのですが、予想を上回る混雑。2時間待ちでした。プラカードの「120分待ち」に偽りなしで、逆にその読みの正確さにびっくりでした。「このあたりまで並んでたら○分」ていう過去の実績があっての表示なんだろうけど、でもすごいなー。6月初旬の時点で80万人突破という話は聞いていましたが、最終的には何人だったんだろう?

この日は雨予想の東京でしたが、ぎりぎり曇空のうちに屋内に入れました。よかった。屋内でも並ぶ事15分ほど。チケットをもぎって貰いようやく中に入ると、ちょうど今自分の職場でも音声ガイドの取り扱いをしているのでちょっと気になる存在。。。ということで見てみたら、ルーヴル展音声は中尾彬でした。中尾か。。。納得できるようなできないような、微妙なところだ。因みに新美でやってたルーヴル展のほうは藤村俊二でした。こちらは子どもをテーマにした展示だったので、合ってる気がする(借りなかったけど)。


フェルメールが初来日ってこと以外情報を得ないまま入ったのですが、17世紀美術を中心に見せる展覧会だったのね。入って一番最初の作品はニコラ・プサン。17-18世紀の黄金時代を代表する作家でスタートということで、気合を感じます。そんなに大きな作品では無いけれど、でも大御所ならではの上手さです。個人的に面白みは感じられないが、む〜流石プサン、という感じ。
ハルスの《リュートを持つ道化師》が来てて、「え!?これも!?」と思う。ルーヴルの展示室の中を思い起こすに、あの壁にこのハルスが無いってことは、相当寂しいことになっているのでは?と心配しつつ、でも天下のルーヴルだしハルスがいなくなってなおカバーできる作品を持ってきてるのかなー。だとしたらかなり羨ましい。それにしても“笑顔の画家”ハルス、やっぱり幸せな気持ちにさせてくれる作家です。

フェルメールの素晴らしさはもはや言葉が不要なので、じっと眺めて終了。でもこの作品、ルーヴルは進行方向の背壁に展示されてるから見逃す人も多いようです。いつもとなりにいる天文学者がいなくてレース編みにも気合が入らないかも。

日本ではあまり一般的に知られてはいないけれど、フランスで美術史を学ぶと必ず重要作家として出てくるル・ナン兄弟やシモン・ヴーエも抜かりなく配置しつつ、かなりいい壁にヨアヒム・ウテワールを持ってくるか〜と感心。フランスに行くまでわたしはこの作家知らなかったのですが、ルーヴルの中でも結構目立つ位置に展示されている作品で、しかもアンドロメダという有名な主題であるがゆえか、人気があるんでしょうね。

何度見てもいいのはドゥ・ラ・トゥール。この火灯に透ける白い肌は、まさしく西洋人の肌です。リアリスムでありつつも、完璧にバロック

あとは最後の部屋に展示されていた、ヨルダーンスの福音書記者の絵が良かったです。ヨハネったら超ハンサム君。


この展覧会は、この後京都市美術館へ巡回します。
ルーヴル美術館展→オフィシャルサイト
ルーヴル美術館オフィシャルサイト