ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

Pompon彫刻

takapirosikiさんの日記でポンポンの白熊写真を見て、そういえばこの作家については作品しか知らないなと思ったので、ちょこっと調べてみました。右写真はオルセー美術館のポンポン作品Ours Blanc(白熊)です。可愛いーv
Francois POMPON フランソワ・ポンポン(1855-1933)は、動物彫刻家で、出身はブルゴーニュ地方の田舎町Saulieu ソーリューです。これはDijon ディジョンの西に位置する小さな町で、鉄道開通前はパリとリヨンを結ぶ街道上の重要な宿場町でした。
彼の作品の魅力は何といっても豪快なマッス。特に白熊像の、のしのしと重たそうな体を支える、のっちりとした足の可愛さはたまりません。シンプルなラインと、それでいて動物の肉体の重みを感じさせる、“簡単な造形なのに、それが寧ろ逆にリアルを感じさせる”と言う意味でまさしくモダニスム彫刻と呼べるものを作っています。
モダニスム彫刻のスターであったロダン(1840-1917)の強すぎる影響からどう次世代を切り開いていくのかと混迷していた時期に、ロダンのアトリエに住み着いた彫刻家集団がいました。その中の1人がポンポンです。動物彫刻家であり風景画家でもあったバルイェ(1795-1875)の作る動物彫刻の真似から抜け出すことの難しかった同系列の作家の中で、ポンポンはエジプト美術の研究を経て抜け出すことができたということです。(参照:Larousse, histoire de l'art, A.シャトゥレ & B-P.グロリエ監修)

現在彼の出身地であるソーリューには、ポンポン特別室を含め、古代から現代までの彫刻・陶磁器・宗教美術他のコレクションを集めたフランソワ・ポンポン美術館があります。興味がある方は、フランス旅行の際に足を運んでみてはいかがでしょうか。美術館のオフィシャルサイトが見つからないので、フランス文化省のサイトをご案内いたします。→こちら