ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

絵画展2つ

ここ2週続けて展覧会に行ってきました。一つはグラン・パレの「ターナー、ホイッスラー、モネ」展(会期終了)、もう一つはリュクサンブール美術館の「ヴェロネーゼ、世俗としての絵画(原題;VERONESE, profane)」展(1月30日まで)です。
グラン・パレの展覧会は、今更感漂うテーマだっただけにあまり期待しないで行ったのですが、まぁそんな感じで。フランスという国のお膝元で揃えられる絵画の量が豊富なだけに、いまいち充実感に欠ける展覧会でした。イギリスからホイッスラーを結構借りて来てはいましたが、頑張りどころが見えたのはそのくらいか。モネの作品なんて殆どマルモッタン美術館のものだったし。とはいえホイッスラーをゆっくり見る機会に恵まれ、眼福でした。TATE Modern以外のイギリスの美術館に行ったことが無いので、この人の代表作ノクターンを見たことが無かったのです。予想外にフラットなマチエールと金砂子のような表現に驚きました。
リュクサンブールの方は、うーんヴェロネーゼ特に好きってこともないしなぁなんて思いつつ行くのを迷っていたのですが、こちらは行って良かった!ヴェロネーゼといえばルーヴル美術館カナの婚礼なのですが(の割には展示がぞんざいな気がしますが、ルーヴル)、これよりもっと小品で親密な作品が来ていたのです。このリュクサンブール美術館はとても小さな会場なのですが、時々すごく頑張ったいい展覧会をするんですよ(たまにすごく外しますが)。


フランスと日本の展覧会を比べると、どうしても作品貸借しの関係上、日本の展覧会には大作が無いために全体の印象として弱いものになってしまうのですが、しかし逆にフランスの展覧会は大作ばかりで注意力散漫になってしまうという欠点があります。これも出せる・あれも出せるとなると、展覧会の構成としての焦点が弱くなってしますのです。日本の企画・構成力で、フランス並みの作品収集力があったら、ものすごい展覧会が作れるのになぁーと思わざるをえません。展覧会の核となる作品へ観客の意識をどう集約させていくか、常にそれを考え勉強しながら、これからも展覧会を見ていこうと思います。

グラン・パレの展覧会としては、4月20日から8月1日までの会期で開催予定の、17・18世紀フランス絵画の展覧会「Poussin, le Lorrain, Wtteau, David... Chef-d'oeuvre de la peinture francaise des XVIIe et XVIIIe siecles dans les collections allemandes」が楽しみです。(その前3月23日から6月27日までは、ブラジルのインディアン工芸展です。)