ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

神奈川美術館三昧

今日は仕事の用事もあって午後から鎌倉に行くことになっていたので、午前中は平塚市美術館へ。初めて行く。ていうか、30過ぎるまで神奈川県の美術館て、横浜市内にしか行ったことなかった。
東海道線に乗る。かなり長時間乗る。途中寝てしまい、はっと起きたら「藤沢」。えーっ藤沢って、すっごい遠くない?もしかして平塚過ぎちゃった!?と焦るも、平塚は更にその先でした。ほっ。

見学したのは伊東深水―時代の目撃者」展(2011年10月22日〜11月27日)。日本画だからか展示期間が短い。そもそも伊東深水美人画、の印象が強くて、しかもその美人がわたしには美人に見えないのでいまいち興味を持てない作家だったのだけど、「こんな暗い感じの絵も描いていたのか!」と驚くような作品も数点あり、見て良かったと思える展覧会でした。あとちょっと思ったのは、描かれる女性のおっぱいが大体デカい。やっぱり趣味だから??


鎌倉に移動してお仕事の後は、神奈川県立近代美術館鎌倉館で「シャルロット・ペリアンと日本」展(2011年10月22日〜2012年1月9日)を見学。ペリアンというと、ル・コルビュジエとの繋がりからモダニスムのデザイナーというイメージが先行していたのだけど、今回会場となっている神奈川県立近代美術館(日本発の公立近代美術館)を設計した坂倉準三との関係を始め、柳宗悦・宗理親子との関係ほか、日本の民藝関係者たちとの繋がりについて知ることができる、興味深い展示でした。


その足で鎌倉国宝館の密教仏の展覧会「鎌倉×密教」展(2011年10月15日〜11月27日)を見学。如意輪観音の如意輪が本当に浮いてるみたいだったよ!!


そして急ぎ足で今度は、神奈川県立近代美術館 葉山館へ移動し、川合玉堂ー描かれた日本の原風景ー」展(2011年10月22日〜11月23日)を見学。午前中の深水展が面白かっただけに、玉堂は。。。いまいち。やっぱりこの作家の風景画ばかり見せられるのはつらいな。。。第1展示室の、大勢の人物が着衣のまま海に入って遊んでいるスケッチみたいな絵が一番良かったです。
館を出ると丁度夕日がいい感じに落ちて行っていたので記念撮影。うーん、海がある土地まで来たぞ!って感じ。東京にも海はあるけど、やっぱり違うよね。


そして最後に横浜まで戻って来て、そごう美術館柳宗悦展ー暮らしへの眼差し」(2011年10月22日〜12月4日)を見る。特に午後一で見たペリアンとの関連を思い出しながら見ました。柳宗理は知ってるけど柳宗悦については殆ど知らず著作もまともに読んだことがなかったわたしですが、朝鮮の文化への熱い想いを綴ったものを見ると、それだけで泣きそうになります。
柳宗悦の「今見ヨ、イツ見ルモ」という言葉を実行するのは難しい。とくに大学で美術史なんかやってしまった身で、これはかなりしんどい。でもそれでもやはり、モノと対峙するときはいつも初めて見る気持ちで向かい合い、自分の心に叶ったものかどうかを考え続けて行こうと思いました。
同じような言葉で「見テ知リソ、知リテナ見ソ」(見て知れ。知ってから見るな)という心偈を残していますが、これも重い。直感を磨いて行きたいと思わされて、本日の美術館三昧終了。