ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

横浜トリエンナーレ

仕事で横浜の赤レンガ倉庫へ行く用事があったので、ついでにあと3日で終わる横浜トリエンナーレ(通称 横トリ)を見る。
といっても、横浜美術館まで足を延ばす時間はないので、BankART会場(日本郵船海岸通倉庫会場)を見ただけだけど。というのも、Christian Marclayの映像作品が見たいなと思っていたので、BankARTを優先させました。浜美の杉本博司も見たかったけどね。。。


前回から3年も経ってて忘れてたんだけど、横トリのチケットって、会期中有効なわけじゃなくて1日券なのね。1日で全部見切れない(まして現代アートは映像作品も多いし)から、例えば「会期中3回まで入れますよ」みたいな回数券制度には出来ないんですかね?チケットの裏にスタンプ押す形式で。
というのも、朝っぱらから横浜に行くって結構な苦行だと思う。昼から行って見切れなかった分、また次に横浜来た時に見られれば、もっとゆっくりひとつひとつの作品を楽しめるし、何より会期が2ヶ月くらいあったんだから、3回は無理でもせめて2回は入場できればいいのに〜。展示会場が3会場+黄金町と4ヶ所もあるんだし。


さて、BankART会場でわたしが面白いと思った作品を以下に記しておきます。

Dewars & Gicquel 《無題》
乾涸びたカバの彫像なのですが、その崩れ具合が会場と合ってて良かったです(写真撮影可だったので載せておきます)。


山下麻衣+小林直人《A Spoon made from the land》
海岸でひたすら砂鉄を広い、その砂鉄でスプーンを作る。このスプーンに限らず、ひとつのものを作るまでって膨大な時間と労力が要るよなぁとつい考え込んでしまう作品でした。


Rina Banerjee 《I'll get you my pretty !》
こんな風に、牛骨が空を飛んで来て捕まえられるかと思うと恐ろしい。でもミニチュア模型が滑稽な感じで笑えもする。


Žilvinas Kempinas (タイトル忘れました)
牢屋みたいな空間、でも仕切っているのは磁気テープ。平べったい磁気テープは、見る角度によって細く見えたり太く見えたりして、単純に視覚効果としても面白い。触るとくにゃんとなるんだろうけれども、その張りつめた感じが鋭利な印象を産むので、このテープの間を通ろうとすると体が八つ切りにされるんじゃないかと妄想してしまう。


Christian Marclay 《The Clock》
様々は映画の中から時間に関係するシーンを取り出してコラージュした映像作品。キャプションに作品の長さが24時間って書いてあった気がするんだけど、そうなの?わたしが入って見て少しした頃、ユペールの《ピアニスト》のシーンが出て来たので、最近またハネケの映画が見たくなってしまいました。



今回の横トリテーマ「世界はどこまで知ることができるか?」とどう繋がるのかよく分からない作品もありましたが、現代アートに興味のある人が増えて来たんだなあということが、会場では感じられました。けっこう若者だけじゃなくてお年寄りも来てたのが印象的。ただ現代アートのこういう集合展示の場合、「きれい」「すごい」「おもしろい」だけじゃなく、世界とどう関わってしているのか・どう関わろうとして制作をしているのか、という作家性が明確な作品を集めた方が、より面白いイベントになると思う。