ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

パリ旅日記<3日目>

◯。 4月22日(金):JA美→ケバブ→バレエ 。◯
昨日はクスクスから帰って来てから、お風呂の順番待ちをしている間に眠ってしまった。
夜中2時過ぎに目が覚めて、慌ててお化粧を落とす。で、また寝る。
そんなわけで今朝はだらだらの日。
11時頃起床し、Mちゃんちの子と朝ご飯に苺タルトをいただく。
久々に食べて思い出したけど、フランスの苺って酸っぱい
酸っぱさのとカスタードの甘さが対立するから、こっちの苺タルトはすっきりと美味しいんだと思う。


食後、MちゃんとBooking.comでストラスブールのホテルを探す。
場所と値段とで比較しながら、「ここでいいんじゃない?」ってところに決定。
TGVはMちゃんのカードで一括清算してもらったので、
それを返済すべく、ここからはわたしが支払って行く形を取ることに。
予約が完了し、プリントアウトして見てみると。。。


あ!日付、いち日間違っちゃった!!


24〜25日で一泊のつもりだったのに、25〜26日になってる!

え〜、ど、ど、どうしよう!
まずは同じホテルが24日の夜あいてるかを調べよう、と再度同じホテルをクリックすると
「5分前に予約が完了したホテルです」っていう表示が出て、全然料金を示してくれない。
分かってんだっつーの!!それでも見たいの!とプリプリしながら
仕方が無いので予約状況の確認・変更のページに飛び、日付の変更。
「予約の変更は受け付けられました。2日ほどで処理します」というメッセージが。


2日って、、、出発しちゃうじゃん ('Д`;)


念のためこのメッセージページもプリントアウトし、一応予約完了。
そろそろ出かけますか〜と、外出準備。
今夜はバレエがあるので、一旦帰って着替えることを想定しながら、どこに行くか検討。
昨日駅ばりポスターでカイユボット展のお知らせを見たので
そしてMちゃんちからメトロ一本なので、それを見に行くことにした。
ところで前日の歩き過ぎが祟って、ふくらはぎがすごい筋肉痛。。。つらい(涙



14時半頃、ジャックマール=アンドレ美術館に到着。<リンク先、音が出ます。注意>

19世紀の銀行家エデュアール・アンドレと、その妻ネリー・ジャックマールのコレクションが基本となっているこの美術館。何度来ても
家にティエポロの壁画があるって、あり得ないでしょ
と思う。あるんだけどね。
サロン・ド・テもあって、行くだけで優雅な気分に慣れるこの美術館ですが、
カイユボット、流石に人気だ。入り口で入場待ちの列が出来ている。
「ここから45分待ち」という看板の少し先あたりから待つ。
天気が良く太陽が照りつける中、半袖やスリーブレスの人が多い。
美術館のスタッフが折畳み傘(もちろんカイユボット柄。もちろん雨傘)を数本、希望者に貸し出している。
ルーヴルやオルセーのような大きな美術館では貸し出し用が無いけど、
ここは小さいところなので(そしてお年寄りの愛用者が多いので)
こういった細かい気配りは嬉しいです。
カイユボットの描く紳士の柄っていう、ぜったいダサイ傘ですら素敵に見えてくる。


30分くらい並んだところで建物内の列に前進。石畳の中通路なのでひんやりして涼しい。
ギシェにつきチケット購入(10,00€)。前庭の砂利を踏みながら美術館へ入ります。
19世紀の富豪が飾っていた通りに展示されるコレクションの数々。*1

優雅な気分のまま、カイユボット展の会場になっているエリアへ。
入り口にハイテク機械が設置してあり、中の温室度や人数が数字で見えるようになっている。
すごい、すごいけど、この超狭いエリア内に130人いることになってるよ!?
案の定混んでてちょっと見づらい。でも全く見えないってわけでもないので我慢。

展覧会は、カイユボット兄弟の絵と写真を紹介し、19世紀の都市の様子や兄弟の親密さを見せるもの。
Martialの写真とGustaveの絵とを実際に対峙させてみせる初の試みで、非常に面白かった。
カイユボットの作品が持つ気品とか余裕な感じは、家族仲の良さとか生活の安定感とか
そういった生まれながらの気質が持たせるものなのかなと思わせる。
お庭の花を描いた扉もすごく素敵だった〜!この展覧会日本でやりたいなあ。。。


展覧会をみてすごくいい気持ちになったあとは、ミュージアムショップ。
図録のほかに、食器2皿とノートを購入。傘も可愛いのがあったんだけど、重いし高いのでやめる。
ふと本棚をみると子供用の書籍も結構たくさんあるので、Mちゃんちの子にいいのあるかな?と物色してみる。
そのなかに、小学生くらいの子向けのフランス史の本があって、
個人的に来年、フランス革命あたりに関連した仕事があるのでちょっと見てみる。

とりあえず、マリー・アントワネットがすごく人気がないってことは再確認。

肖像画すら出てこない。
知人のフランス人男子も、以前マリー・アントワネットの話になった時
え?知り合い?って思うくらい具体的な文句を言ってた。
日本人の誰もが、特に女子は殆どの人がマリー・アントワネットに対して
そんなに悪い思いを持っていないのは、やっぱり池田◯代子のおかげなんだろうな。。。
ベル◯ラの効果ってすごいわ、ほんとに。
ソフィア・コッポラの映画は、フランスでの需要はどうだったんだろう?


お会計で、お皿に対し「プレゼント?」と聞かれる。
プレゼントじゃないけど、帰国のことを考えれば梱包してほしいので「はい」と返答。
渡されたのは、エアキャップで適当にくるくるっと包まれただけのお皿
それが図録と一緒に紙袋に入ってる。
うん、ラッピングまでは期待してなかったよ。
でもせめてエアキャップは完全にお皿を覆っててほしかった。


美術館をあとにし、Mちゃんちへ戻る途中、
ケバブ屋さんでアシエット・ケバブ*2を買って遅いお昼にする。
ポテトが食べきれず持て余していたら、Mちゃんの子が食べてくれた。
ていうか、こんな17時半過ぎにそんな大量のポテト食べて大丈夫?お夕飯は入らなくなるよ。

18時過ぎからバレエに行く支度を開始。
つってもデニムからワンピに着替えて髪をアップにし、荷物を小さくするだけなんだけどね。
わたしにとっては40,00€の席は高いが、全体から見ればまだ中の下の席なので
それほどドレスアップの必要は無い。



19時にMちゃんちを出てオペラ・ガルニエへ。
19時半開演なので、結構ぎりぎり。しかも今回初めてベニョワールの席なので
何処なんだかさっぱり分からない。
案内係を捕まえ案内してもらう。あ、チップ渡すの忘れた。
シャガールの天井画を見るのも久々です。わー楽しみ!


マッツ・エック振り付けのバレエ《La Maison de Bernarda ベルナルダの家》と《Une sorte de... ある種の。。。》を観賞。
左のベニョワールだったので、近いんだけど舞台左端がすごく観賞しづらい。
19世紀のエロ貴族なら思う存分踊り子が観られる席だが、
現代人女子のわたしには単なる観づらい席。仕方が無いので身を乗り出して観る。


Charlotte Ranson & José Martinez in La maison de Bernarda © Agathe Poupeney
La Maison de Bernarda は、スペイン人作家フェデリコ・ガルシア・ロルカの La Casa de Bernarda Alba を下敷きに、バッハの音楽を用いて構成されています。
1978年に初演され、パリオペラ座の上演リストに入ったのは2008年。
主を無くした妻ベルナルダとその娘たち。喪に服し続ける黒衣の女性たち。
ベルナルダは男性が演じ、2008年はルグリでしたが引退してしまったので、2011年はホセ(ジョゼ?)・マルティネスが演じます。
ルグリのほうが良かったような気もしますが、映像で観たから2割増なのかな?
でもマルティネスのベルナルダも、ストイックでいてかつ変態っぽくて良かったです。
行き詰まるようなベルナルダの家で、唯一外の風を吹き込んでくれるお手伝いさんにはマリ=アニエス・ジヨ。
圧倒的な存在感で踊ります。
でも彼女には前掛けよりもロングドレスとか宝石の衣装とか、そういうゴージャスな雰囲気の方が似合う。

以前エックのAppartementを観たときも思ったのですが、
この振付家はダンサーの身体能力を試すような振り付けが多く
クラシックバレエとは全然違う動きを見せる舞台でした。
テーブルのお祈りシーンは、生で観てもびっくりします。


Nolwenn Daniel & Nicolas Le Riche in Une sorte de... © Agathe Poupeney
Une sorte de... は、ネーデルラント・ダンス・シアターで1997年に初演。
パリオペラ座へは2008年に入りました。
これは、物語があるのかないのか、よく分からない。*3
ある種のなんであるかすら分からないのだから、ストーリーもあってないようなもの。

坊主頭になった(!)ル・リッシュが女性もののコートを着て踊る。
故障が多いダンサーだけど、やっぱりかっこいい〜。
いつもル・リッシュには軽やかさを感じていたのに
近くで観ているせいか今回は力強さをかなり感じました。
コートはもっとしゅっとした薄手のコートの方がエレガントなのになー。

色んな色彩が使われていて綺麗だったけど、途中ちょっと眠くなっちゃった。
ミテキ・クドーのキュートさが忘れられない。


バレエを見終わって、お茶して帰るか迷っていたところに、韓国人の友達から電話。
ストラスブールから帰ってから会うことになり、日時はまたあとでね、ということに。
昨年パリに行った時、彼女はちょうど出産のため旦那の実家に行っていたので会えなかったので
今年こそ会おうね!と約束して電話を切る。
カフェより水が飲みたかったので、寄り道しないでMちゃんちに帰宅します。

*1:ここの絵画は観賞ではなく装飾目的なので、高い位置にあって見づらいけど、雰囲気を楽しむことが重要。

*2:パンに挟まれてなくて使い捨て容器に盛られ、ピタパンがついてる

*3:2008年の記事ですが、こちらのブログでエックのUne sorte de voyage, une sorte de reve, (なんというか一種の旅であったり、夢であったり)、要は誰かの頭の中の”旅”だ、と紹介されていました。