ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

鴨居玲 終わらない旅

首都圏では15年ぶりとなる鴨居玲の展覧会が、そごう美術館で開催しています。あんまり混んでなかったのですが、コアなファンが多い作家なので、早めに空いているうちに見ておくのがいいと思う。

没後25年 鴨居玲 終わらない旅
2010年7月17日(土)〜8月31日(火)
そごう美術館(横浜)
協力:日動画廊


今月頭まで、川崎市岡本太郎美術館で姉の鴨居羊子の展覧会「前衛下着道ー鴨居羊子とその時代」がやっており、唐ゼミによるチュニカショーの復活などを見たばかりで、次は弟の展覧会。鴨居づいています。


鴨居玲は、そのポートレイトを見たことがある人は納得だと思うんだけど、とりあえずとにかくいい男!それがあんな激しく切なく心を乱すような絵を描くものだから。。。そりゃ典型的なダメンズになりますよ。姉に頼り、妻に頼り、愛人に頼り、そして皆を置いて自殺。すごすぎる。ダメンズに弱い女に「わたしが助けてあげなくちゃ」と確実に思わせるだろうなと確信できる。同時代に生きていたら、絶対つきあいたくない。


展覧会は初期の、宮本三郎に師事していたころのほわーんとした作品数点に始まって、安井賞を取った《静止した刻》(東京国立近代美術館蔵)、滞欧時代の円熟した作品、もう何も描けないと絶望的な《1982年 私》を中心に、デッサンやパレット(すごいでかい。そして絵の具がもりもりしてる)、写真パネルも充実でした。
鬼気迫る作品もいいけど、パン持って歩いてるおばあちゃんの絵も良かったな。
デッサンはとりあえず上手い。油彩と一緒で、重要な所だけ描き込んで後は流すように描くのだけど、そのコントラストが絶妙にいいのです。


夏休みの子ども連れ。。。にはちょっと向かないけど、でもこういう絵もあるんだよーって見せると思えば子連れもOKかも?おすすめは、一人で夕方に行く、です。