ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

和モード 日本の女性、華やぎの装い展

ミッドタウン内サントリー美術館で14日まで開催の和モード 日本の女性、華やぎの装い展に会社帰りに行く。年末にお客さんから頂いたチケットだったんだけど、櫛がチケットにあしらわれていて「よくある櫛簪を集めた展覧会なのかなー」と思って行ったら、予想していたものよりも面白い内容でした。

1)小袖の和モード
2)描かれた和モード
3)化粧と嗜みの和モード
4)髪型と髪飾りの和モード
5)和モードのクリスマスとお正月
の、全5章構成

小袖の文様では特に「うわー素敵!」って興奮するようなのが無かったんだけど、気になったのが、どの小袖も裾が裏生地を多めに見せて折り返していたこと。ふっくらした素材感なので、なんか布団っぽい。。。
浄瑠璃絵巻》の植物垣の描き方がちょっと幾何学的で変な感じだったのが気になりました。「上の雲の表現に揃えた、にしても変だよねぇ?」と同行の同僚君と話しながら見てました。あとは第四章の櫛で、蝸牛が張ってるやつがあって微妙に可愛かったです。小薔薇?と思ってよく見たら蝸牛なの。


第三章が個人的には一番ツボでした。眉の書き方指南をした巻子本《化粧眉作口伝》や小袖の流行模様徹底代解剖☆的なマニュアルブックがあって、やっぱり女性は古今東西メイク&ファッションが好きなのね〜と思いました。あとお歯黒の資料が面白かったです。まずそのお道具の美しさ(気持ち悪くならない程度の控えめな梨地蒔絵は本当に美しいです)とアイテムの多さには目を見張るものが。しかも化粧箱に入れる箱でも、長方形は五倍子粉(お歯黒用)、正方形は白粉、円形は練り香を入れると、用途が決まっていたらしい。なおお歯黒は虫歯とか歯槽膿漏を防ぐ効果があるんだって。
最後の章は、展示の時期に合わせたものなのか、蛇足感が。。。だって甲冑とか、女は着ないし。ドイツのゴブレットは純粋に綺麗だったけど、でも和モードじゃないもので終わってしまった感が漂う。惜しいなぁ。


第二章の説明を読んで、そういえば江戸時代の着物の表現、確かにおはしょりが無いわ!と気付きました。なんかエロティックにだらーっと着てるのが多いので勝手に浴衣だと思い込んでいた作品もあるんだけど、浴衣でもおはしょり作るもんね。と言うことは、着物作るときに皆自分の身長をわりあい正確に測ってから作ってたってことかしら。因みにわたしは背が低いので、第一腰紐を腰で結んだ後、胸高で第二腰紐(もう腰じゃない)を結ばないとおはしょりが余り過ぎてしまうのが悩み。