ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

The Jewels of TIFFANY 1837-2007展

東京都庭園美術館で2007年10月6日〜12月16日まで開催していた世界を魅了したティファニー The Jewels of TIFFANY 1837-2007展に行った備忘録。

この展覧会はティファニーがやっている世界巡回展で、日本では東京のみということもあってか、9万人強の入館者数だったそうです。庭園美という狭い会場を考えれば、けっこう危険キャパですね。モノも小さいがゆえに人が溜まると当然見難い。

そもそもティファニーというブランドに対し今まで特に興味を引かれたことがない、というか魅力的だと思うジュエリーをこのブランドで見たことがなかったので、あまり期待はしないで見に行ったんだけど、いいじゃんティファニー、1970年までは!と、嬉しい発見。70年以降は全く好きだと思えるものが無かったです。昔ながらのごてごてジュエリー☆なティファニー商品は、今は会談室でお茶飲みながら買い物をするような人にだけ売られているのかしら。。。とにかく展覧会をみて、わたしの中で重要なティファニーさんはルイス・コンフォート・ティファニーだったんだけど、チャールズやるじゃん!と初めて思いました。


メインヴィジュアルであるイエローダイヤモンドで作られたBird on a rockは、実物見て思わず「小っちゃ!!」と言ってしまいました。あんな小さいとは予想外。でもめちゃくちゃ可愛い。でかかったら鳥の部分の宝石とか気持ち悪いんだろうな。しかし盗難予防が大変だったでしょうね〜。


展示はクロノロジックに展開。19世紀ジャポニスム満載なコーナーや、万博の時代であることを目いっぱい感じさせる作品が並ぶ。また、アメリカンジュエラーならではの愛国心溢れる作品も。個人的にはこういう作品を見ると「うひゃー」って全身がむず痒くなるような感覚を覚えるんだけど、しかしこういうのを作っちゃうのがアメリカなんだろうなぁ。

装身具のコーナーが一番わくわく☆しました。特にこのパラソルのハンドルの美しさったら!他には懐中時計も数点あって、時計好きとしては至福の時。

ネックレスとかイヤリングとか、セットで出来ているものの中には激しく惹かれたものは特に無かったんだけど、とりあえずティファニーは色をあまり使わないもの(ダイヤとか真珠)を素材としてデザインしたほうがいいものが出来る気がしました。色が入っちゃうと、なんかねー。。。一色くらいまでならいいんだけど、2色以上の色を使うとちょっと変。
色が入っていてもそのグロテスクさが実在する自然物に近ければ、そのグロさは昇華される。89年万博のために作成されたこれら蘭のブローチは、そのリアリティと同時にシュルレアリスティックな美しさに評判が集まったシリーズだ。


動物のモチーフがとんでもなく可愛いブローチをデザインしたのは Donald Claflin ドナルド・クラフリン。このドラゴンブローチも実物はとってもちっちゃくて、蛙とか亀とかと一緒のケースで集合展示されていました。このぷくっとしたほっぺでニコッと笑ってるところがたまらなく可愛いんだよね〜。Cartierも鰐だか蜥蜴だかの割とでかいジュエリーを作成していますが、こちらは小さな可愛さで勝負!ていう感じです。まぁ実際貰ったら何処につけるか悩んで何処にも付けられずに部屋の飾りになりそうな気はしますが。


この後からとたんに面白くなくなる展覧会。もちろんまだ作品は続くのですが、70年代を過ぎると一気にミニマルモダンへと加速するので、そしてスターリングシルバーがメインとなるので、ゴールド&デコレーション大好きvなわたしには物足りなくて仕方がない。でも会場を出るために出入り口に戻る途中に、また先ほどのイエローダイヤモンドがみえ、再びその可愛さに気持ちがほっこりした気分で帰宅。