バレエ《くるみ割り人形》
新国立劇場のバレエのチケットを頂いたので、24日に行ってきました。演目はバレエ《くるみ割り人形》(英:The Nutcracker、仏:Casse-Noisette、露:Щелкунчик - Shchelkunchik )。
見に行った日のマーシャはさいとう美帆、王子は逸見智彦、ドロッセルマイヤーさんはゲンナーディ・イリイン。
【振付】マリウス・プティパ/レフ・イワノフ
【作曲】ピョートル・チャイコフスキー
【改訂振付】ワシリー・ワイノーネン
【演出】ガブリエラ・コームレワ
【監修】牧阿佐美
【舞台美術・衣裳】シモン・ヴィルサラーゼ
【照明】ウラジーミル・ルカセーヴィチ
【舞台監督】大澤 裕(ザ・スタッフ)
【指揮】渡邊一正
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
くるみ割り人形を実際に見てみると、くるみを割るため顎がガクンと外れるその姿に、「確かに子供はこれ欲しがらないよね〜」と思う。でも主人公マーシャは、この人気のないくるみ割り人形に惹かれる。ところが喜び溢れる妹の姿に嫉妬したお兄ちゃんによってお人形は壊されてしまいます(この場面、ほんとにブチッて首が取れて、涙出ました)。しょんぼりするマーシャに、ドロッセルマイヤーさんはお人形を直してあげて慰めます。
そして夜、突如襲ってきた二十日鼠の軍団。怯えるマーシャの元に、颯爽と現れ鼠を追い払うくるみ割り人形*1。やがて鼠を追い払って後、お人形は王子様へと変わり、マーシャをお菓子の国へと誘います。この時踊られる雪のワルツ、綺麗でした〜☆
お菓子の国では万博的な踊りの見せ合いっこが行われます。チョコレートの踊り(スペイン風)、モカ・コーヒーの踊り(アラビア風*2)、お茶の踊り(中国風)、大麦糖の踊り(トレパック:ロシア風)が繰り広げられ、パ・ド・トロワ(締めはフランス風?)と薔薇、金平糖が踊って御伽の国は幕を閉じます。
で!個人的にはここで終わって欲しいんだけど、今回見たのはマーシャの夢落ちでした。25日の朝目覚めて、「まぁ夢だったのね!」とばかりにうっとりくるみ割り人形を抱いてゆっくりと踊るマーシャで舞台は終わる。あたしが小さいころ読んだ絵本では、マーシャはそのまま王子様(実は鼠の呪いで、本来王子様だったんだけど魔法で人形にされてた)と御伽の国で暮らすんだけどなぁ*3。あとドロッセルマイヤーさんの甥かなんかが後で現れて、それが人形の王子様そっくりでマーシャの恋人になるっていうのも聞いたことがある。個人的には、華々しいダンスで終わる神隠し版が良いと思う。
クリスマス・イヴを舞台とするこの物語の初演は1892年、E.T.A.ホフマンの童話『くるみ割り人形二十日鼠の王様』を原作とするアレクサンドル・デュマ・ペールの脚本&マウリス・プティパの台本、そして振付はレフ・イワノフによる*4ものでした。
バレエの台本としての夢のような第2幕「お菓子の国」と、物語としてのホフマンの「お菓子の国」の描写を読み比べてみるのも面白いかもしれません。原作のお菓子の国は、食いしん坊に食べられて修復中だったり、住人が虫歯で痛がっていたりして、妙なリアリティが含まれていたりします。
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