ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

チェーザレ

元々漫画が好きでよく読むのですが、何せあたしの日々の行動範囲に本屋がない&本屋があいてる時間に仕事が終わらないという二重苦で、しばらく漫画どころか文庫本も買えない日々でした。図書館も遠いんだもん、いやになる。それだけで引っ越したい。
さて先週は、来月から始まる予定の忙しさの前の静けさなのか、20時には会社を出られる日々でした。18時半の定時に上がった日も一日あって、定時で上がると夜がすごく長くて、あーやっぱり残業なんてするもんじゃないよ、と友達とテラス席でご飯を食べながらしみじみ思いました。



まぁそんなことはどうでも良くて、早く帰ることができたので、ちょっと遠回りして帰宅するルートをたどって本屋へ。読みたいと思っていた文章の本がなかったので、代わりにちょっと気になった漫画を買ってみました。


チェーザレ 破壊の創造者(1) (KCデラックス モーニング)

チェーザレ 破壊の創造者(1) (KCデラックス モーニング)


あたしの専門は19世紀後半フランスなのでこの辺の時期のことは、高校生の時に学んだ世界史と、大学の西洋美術史講義で学んだことしかしらないのだけど、そもそもメディチを初めとするルネッサンスのイタリアの権力・勢力図には興味があった。それにちょうど東京国立博物館でレオナルドの《受胎告知》を見たばかりだし、どれイタリアに想いを馳せるのもありだろう、ということで買ってみたんだけど、これ、すっごく面白いです!


まず絵がね、惣領冬実なので当たり前のように上手いんだけど、でもシスティナ礼拝堂の再現図(ミケランジェロ以前)のカラーとか、息を呑みました。チェーザレ・ボルジャ(漫画中では一般に浸透しているボルジアという表記を採用)といえばマキャベッリの『君主論』のモデルになったことで有名な人物だけど、刺激的なエピソードばかりが一人歩きしていて実態がよくつかめなかった人。その人物に焦点を当ててイタリア政治史と宗教史を語る物語です。まだ3巻までしか出てないけど(そしてこの先もゆっくりペースで刊行のようだけど)、ものすごく先が気になる期待の漫画。物語としても面白いし丁寧に作りこまれている感じがとても良い。当時の衣装なども詳細に調べて描いているようです。あたしのなかで「ボッティチェッリの作品を破棄した悪い人」烙印の押されているサヴォナローラは、本作の中でもやっぱり悪い人そうだった。これからチェーザレサヴォナローラが絡んでくるかと思うと、ほんとに楽しみ!

とりあえずチェーザレ本人と、側近のミゲルのかっこよさにやられています(ミゲルのほうが好きなタイプ☆)。メディチ家の面々は憎めない感じが可愛く描かれていて良いです。早く美人の妹ルクレツィアが出てこないかな。