ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

日本のおしゃれ展

新年明けましておめでとうございます。今年も「ふらんす*にちようざっか」を御贔屓に。


年始に馴染みの呉服屋さんからチケットを頂いたので、今月15日まで開催している日本のおしゃれ展 池田重子コレクション@松屋銀座・催事場に行ってきました。

池田重子 (1925-)
横浜生まれ。1976年、目黒に「時代布池田」を設立。別会社の着物部門ではデザイナーとして参画。
1993年の「日本のおしゃれ」展を皮切りに、95年、98年と継続展示、2000年には台湾でも開催。今回は国内では4回目のおしゃれ展である。

正直言って全然知らない人だったんですけど、意外な色合わせやジュエリーのコレクションに「ほぉー」と感心して帰ってきました。ハギレを集めて着物に仕立てたりした人、という紹介のされ方を呉服屋さんにされていたので、てっきり白洲正子展ぽいのか?と思っていたんだけど、全然違いました。もっとアクチュアル。

手描きの着物も数点展示されていたのだけど、中でも伊藤深水*1と福田平八郎*2の着物は良い柄でした。欲しい。

夜会用の着物の装い方(レースの手袋とバッグとか、素敵だった〜)や日常の着方、ショールや鞄類など、かなりの数が展示されていました。帯止めや飾り簪も多く展示されていて、アール・ヌーヴォーからデコにかけての時代の日本の簪類も。ヴェトナムの編み籠みたいなバッグとかもあって、「これ着物で持ってもいいのかぁ」と目から鱗。
着物だからと力まずに、洋服感覚で色んな着方をしたいものです。なにも晴れ着ばかり着るわけじゃないんだし。と思っていたら展示品のなかに、大正時代の帯で、お人形が刺繍されてるもの発見。かなりこれは組み合わせが難しいぞ。しかし着物は際どく着るほうが面白いかもしれない。柄の際どさも面白いけど、それより半襟や帯で遊ぶ方が物理的な面積の狭さという制約がある分、やりがいがある気がする。(04-01-2007)

オフィシャルWeb→池田重子 きものコレクション

*1:ITO, Shinsui, 1898-1972:「最後の浮世絵画家」と称されることもある。結城素明に基礎を学び、やがて水野年方および鏑木清方の弟子となったことで、日本画と浮世絵の両系統を習得する事となった。ちなみに朝丘雪路のお父さん。

*2:FUKUDA, Heihachiro, 1892-1974:「数学のことを考えるだけで暗くなる気が」するほど数学が嫌だった為中学3年の進級に失敗、京都の絵画専門学校に入学する。四条円山派の写生から出発した福田の作品は、やがて抽象画に近い単純な表現と柔らかな色彩を持つ。