ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

Bûche de Noël

ノエルの食べ物と言えばビユシュ・ド・ノエル。薪の形をしたロールケーキで、12月24日の夜から新年にかけて暖炉で薪を燃やす風習から来たお菓子です。
薪を燃やす事で温かさと光を家内に持ち込み、更に薪を燃やすことによって出た灰は病除けや厄除けになりました。最近は暖炉の無い家も増えたので薪を燃やす風習は途絶えがちですが、それでもまだ田舎町の家ではこの行事を行っています。以前わたしがお邪魔した家の家長は、薪が燃えて罅が入る音=悪霊が死んだ音だと説明してくれました。
薪を覆う樹脂はオレンジのような芳香があり、それを家の中の最も広い部屋に少し塗りつける事で魔除けの役割も果たしたそうで、それゆえにノエルと薪とは切り離せない縁のよう。


さて、本物の薪が姿を消しつつある現代、24日から25にかけて夜通し食事をして祝うRéveillonの時にデザートとして食べるのがこのBûche de Noël。1875年にパリのあるパティシエによって最初に作られたそうです*1
(19世紀後半の)オリジナルレシピのビユシュはバタークリームを使ったもの。その後アイスクリームを使ったもの、栗やチョコレートムースを使ったものを主体に、様々な味のものが生まれました(我が家は今年は栗味☆)。このお菓子に飾られる伝統的なモティーフは、Père Noël サンタクロース、houx 柊、sapin 樅の木、champignon きのこ、rose 薔薇、nain de jardin 庭の小人、bougie 蝋燭など。プラスティックだったり陶器の人形だったり、砂糖菓子だったりチョコレート製だったりします。美味しそう〜♪というわけで、いただきまーす☆

*1:でも別の説明を読むと1879年とか1945年に発明されたっていう説もあり