仏像展②
仏像展、後半戦に行ってきました。後期のお宝仏のほうがレア度高いので流石に混んでいる。この仏像展、一日平均7500人・週末は1万人を超す入りだそうで、東博の国立美術館としての強みを感じる来館者数だ*1。それほどの集客力にも驚くが、それ以上に仏を見たがっている人がこんなにいたのかと、そっちにも驚いた。奈良や京都のように拝仏が日常的ではない東京ならではの現象なのだろうか。
さて、後期の目玉は滋賀・向源寺の《十一面観音菩薩立像》、そのうっとりするような姿と顔立ち、バランス良い肉付き、194cmの長身*2…あぁ、これは拝むよ、展覧会場かどうかとか関係なく、拝んでしまう。圧倒的な神々しさ(仏だけど)。実際に拝んでいるお爺さんもいた。
細工の細かさは圧巻。頭頂の十面部分を作る精神力だけで、たぶん他の仏一体は作れる。しかもこれが一木なんて、ありえない、すごい。仏像展サイトの解説によると、「元亀元年(1570)の姉川の合戦に際し、寺は焼失したが、観音像は村人の手により土中に埋められ難を逃れたとのこと」らしい。合戦の後どのくらいたって掘り起こされたのかは分からないけれど、こんな美しい仏が土中に埋まっているのを掘り起こした時、最初に見た人はたぶん、本当の仏様を掘り当てたと思ったんじゃないだろうか。あるいは背面部から掘り当ててしまったとしたら、なんて恐ろしいもの*3を掘り当ててしまったと感じたんじゃないだろうか。素晴らしいものは反対に恐ろしさも生むって事を、改めて実感させられた仏でした。(01-12-2006)