ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

内なるこども展


4月14日から6月18日まで愛知県の豊田市美術館で開催されていた「内なるこども」展へ、学会参加ついでに行ってきました。豊田市美術館の建物自体も見てみたかったのでナイスタイミング。ポスターは、アラーキーの60年代の写真《さっちんとマー坊》シリーズの一枚。大人びた表情のマー坊が、可愛くもカッコイイ。
会場構成は導線がわかりにくく最初逆走してしまったが、後は順調に。作品配置に関しては「何でこれがここに?」と思う点が何度かありました(いきなり20世紀初頭のフランスの絵画が日本の戦後作家の横にあったり)。“内なる”とあえて名づけたのには、恐らく誰もがかつてはこどもであったという懐古意識を呼び覚ますためであろうけれども、展覧会英題は単に The Child で内面性が表れていなくてもったいない。展覧会の後半は現代の作品で、奈良美智の初期作品のような“こどもの無邪気さ/残虐性”といういまや紋切り型になってしまった展示だったように思う。(27-05-2006)