ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

オテサーネク

OTESANEK 邦題《オテサーネク〜妄想の子供〜》
監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
チェコ、2000年、132分  ☆☆☆☆

子供が欲しくてたまらない夫婦の妄想が生み出した切り株の赤ん坊オティーク。異常に大食いのオティークは、彼を取り巻く周囲の人間たちを食べていく。そしておばあさんのキャベツ畑で…。
チェコの民話『オテサーネク』を元に、人間の欲望を描いた実写とアニメーションの融合映画。オティークは人々の欲望を増幅させる装置であり、同時に手がかかって仕方がない子供という存在そのものでもある。この民話が何を表わしたいのかは、いまいち理解できなかった。それとも、何を表すともなく語り継がれるだけの物語なのだろうか*1。限りない欲望の増幅装置は、おばあさんの斧で倒される。おばあさんは何かの象徴なのだろうか?でも何より、子供が欲しいからといって丸太を子供代わりにあやすのは気違いだと思った。実写でありながらもアニメーションでもある、映像としてとても面白い映画でもある。(12-04-2002)

*1:しかしなにものも表さない物語が、民話として残るは思えない。