ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

Baboussia

Baboussia
監督:リディヤ・ボブロヴァ Lidia Bobrova
ロシア、2003年、97分  ☆☆☆☆

モスクワに近いとある田舎町で娘家族と暮らしていたおばあちゃんが、娘の怪我をきっかけに家を出され、しかし誰も引き取ってくれずに親戚中を盥回しにされてしまうという物語で、その様子を淡々と写し撮る一種のロードムービー。新生ロシアの中で必死に生き抜く若い世代を、何も言わずに見つめるおばあちゃん(タイトルのバブーシャは「おばあちゃん」の意だったと思う)が、最後に見せる表情に涙。
広いロシアに広がる世代間格差と、資本主義の導入によって明確化された貧富の差が感じられる、社会的作品でもあります。「バブーシャ!」と叫ぶこどもの声が耳に焼きついて離れない。(06-05-2004)