ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

フラメンコ

で、今日は20時からシャン=ゼリゼ劇場にてフラメンコを見る。Saras Barasという、この30年間フラメンコ界を担う女性ダンサーの中で最も重要な一人とされる踊り手の公演。とは言え元々行く予定も興味も特に無かったんだけど。たまたまJ君に誘われたので、まぁいっか、と軽い気持ちで行ってみました。

本編よりアンコールの方が、本場のフラメンコのアミカルな雰囲気が出ていて(途中掛け声をかけたり、即興で一緒に踊ったりする)面白かったな。フラメンコを見るのは8年前にバルセロナで見て以来2度目なんだけど、衣装が昔見たものよりモダンになっていました。この人の舞台だからなのか、あるいは8年前見たのが観光客向けの分かり易いものだっただけなのか。

30年以上のキャリアを持つ…という事は少なくとも40代の女性なわけで、でもそんな年齢を全く感じさせない踊りと肉体(特にお尻!なんなの、あの張り!さすが)。直線をタップしながら進む場面が一番素晴らしかったです。上手い人ほど上体が揺れない。足だけが細かく動くのだ。上半身は優雅に手や背中をくねらせ、足は必死にリズムを刻む。バレエとは表現方法が全く違いながらも、それでも基本は一緒だなぁと思いながら見てきました。ところで「男は短髪(できれば坊主)」派のあたしですが、フラメンコダンサーは長髪の方が見栄えが良いですね。ホアキン・コルテスもそういえば長髪だわ。

Ballet Flamenco, Sara Baras Suite Flamenca

Saras Baras
Jose Serrano, Luis Ortega (artistes invites)
danseurs du Ballet Flamenco Sara Baras

guitare : Jose Maria Bandera, Mario Montoya
percussion : Antonio Suarez
violon : Jose Amador Goni
flute : Mario Perez
chant : Miguel de la Tolea, Saul Quiros, Taila Marin

踊りを見に行ったんだけど、鑑賞後に強く残ったのは音楽。スペイン音楽って、なんであんな哀愁漂うんでしょうか。生で歌うってところがまた良い。スパニッシュギターの音もいいし、でもやっぱり歌がいい。歌詞が分かるともっと面白いんだろうなぁ。スペイン語…「ビール一杯ください」とか「お勘定お願いします」とか、そんな単発会話しかわかんないよ!
ところでスペイン音楽やフラメンコの踊りを見ていると、つくづくオリエンタルな要素無くしてはスペイン芸術は現在の姿に成りえなかったんだろうなと思います。イスラム文化が交じり合ったからこその芸術なんだろうなぁ。スペイン絵画を見る時、個人的には今まであまりイスラム文化の影響を考えたことがなかったのだけど、これからちょっと気にしてみようと思いました。