ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

パリ旅日記<7日目>

◯。 4月26日(火):美術館と絵本屋さん、そしてムール! 。◯
あ〜明日はとうとう日本に帰る日。。。がっくり。今日が美術館を回れる最後なので、さてどこに行こうかな?
と同時に、Mちゃん親子をわたしのお気に入りの絵本ショップに連れて行きたかったのだけど、残念ながらYがお熱。。。ということで、ひとまず先にわたしだけ外出し、午後Yの調子が良いようならボンマルシェあたりで待ち合わせようか、ということになる。


朝昼兼用のサンドイッチを食べ歩きしながら、まずはMusée du Luxembourg(リュクサンブール美術館)で開催中のCRANACH et son temps クラナハとその時代展を見る。21日に行ったルーヴル美術館が一般市民からの寄付を募ってクラナハの《三美神》を購入したことがニュースになっていましたが、この展覧会はその父クラナハ(Lucas Cranach l’Ancien, 1472-1553)をがっつり集めた展覧会。日本では(輸送や保険費などの理由で)ほぼ実現不可能なこの展覧会が滞在中に開催されていたのは本当にラッキーでした。中世美術は全然専門じゃないので、フリーな気持ちで楽しめます。
とても混んでいるかと思っていったのに、やっぱり平日の午前中だからか、かなり空いていてゆっくり見られました。しかし会場が暗い。真っ暗にしてスポット照明で作品を浮き立たせる会場構成なんだけど、そして照度規制が厳しい作品なのは分かるけど、この照明の仕方は日本の展覧会では出来ないんだよなーとってもかっこいいんだけどね。。。


見学が終わり、ショップで図録を購入。日本の展覧会図録はここ数年で低価格化が進んでいますが(最近は、きちんと学術論文が載ったタイプのはまたちょっと上がって来たかな?)、逆にフランスの展覧会カタログはどんどん値上がりしている気がする。厚くて重い。価格は大体39ユーロ(当日レートで約4,500円)。画像の再現性よりも、明らかに文章や資料に力を入れている図録が主流です。ヴィジュアルだけでいいならアート専門誌のBeaux-arts や L'oeuil を買えば?って言ってる感じ。それなのに、わたしの友人知人で、アートが専門でも何でもないただ「好きなの」っていうフランス人にも結構図録購入者は多い。


さて、グッズは特にこれといったものが無かったので、図録だけ買って外に出る。重い。。。
Mちゃんからはまだ連絡がないし、近くの教会で久々にドラクロワを見て癒されよう〜(そしてこの重たい図録から一時解放されよう)と、2分程歩きます。

Église Saint-Sulpice(サン=シュルピス教会)は1660年に建築が始まり、ルイ15世の聖具室(la sacristie)があることでも有名ですが、何と言っても入り口入ってすぐ右にドラクロワの壁画があること!これだけでもこの教会に来る価値はあります。

  
左)《神殿から追われるヘリオドロス》  右)《天使と戦うヤコブ》

日が高いうちに行くと、陰にならずに綺麗に見られます。

さて、ドラクロワも見終わったし、どうしようかなーと思っていたところにMちゃんから電話。やっぱりYちんのお熱が下がらないそうなので、一緒のお出かけは断念。。。お土産を買って帰ることにしようかね。


続いてマネ展がやっているMusée d'Orsay(オルセー美術館)へ。
美術館に入るまでに1時間くらい外で並ぶ。久々にオルセーでこんな並んだ。。。日焼け止めを塗っていなかったのが悔やまれる。
マネ展は大盛況で入場規制をしているらしく、チケットに時間が書かれていてその時間に入るように、とアナウンスが入っている。わたしのチケットは15時入場(現在14時)。1時間カフェに行こうかと迷ったけど(ちょっとお腹空いてきたので)、並んでいるので1時間じゃ出て来れなそう。そこで小さい方の企画展示Une ballade d'amour et de mort : photographie préraphaélite en Grande Bretagne, 1848-1875(愛と死のバラード:イギリスにおけるラファエル前派の写真、1848-1875)を先に見ることに。わたしはジョン・ラスキンにそれほど詳しくないので決めポイントが良く分からず、タイトルが格好良過ぎて名前負け感を感じてしまったのだけど、ラファエル前派を研究している人には色々面白い展覧会、なのかも。

15時ちょっと前になったので、Manet, inventeur du Moderne(マネ、近代の発明家)に並ぶ。日本でもマネ展を見たばかりだけど、パリではどんなだろう?と思っていたところ。。。

すごい
さすが
やりすぎでしょ
えーこれも!!

という感想の連発でした。日本にもこれだけ貸してよね。。。ちくしょー!ってつい思っちゃう内容でした。
あー大陸ってずるい。
まぁいいやつは自分とこで持ってるんだもんね。。。
唯一、ワシントンが油彩を持ってる作品が下絵しか出てなくて「あれ、これほどの規模の展覧会なのに貸し出し拒否?」って思ってたら、
夏に日本に来たよ。予約勝ち?それともお金?
大満足のマネ展でした。図録(やっぱり39ユーロ)もがっつり買いました。重い。


オルセーの後は、数年前から探している図録を探していくつか書店を見た後(やっぱり無かった。。。)、ボンマルシェで夫へのお土産探し(モノは決まっているが、ショップを探したい)と絵本屋さんへ。
絵本はわたしが集めている絵本の他に、Yちんにあげる絵本を2冊選択。このお気に入りの絵本屋さん Chante Livre はアドバイザーの人が何人かいて、本の並んでる場所だけでなくこちらが漠然と探している本を一緒に選んでくれたりするとっても良いお店です。
Yにあげる絵本も、なんとなくこんな感じの〜っていうのはあったんだけどどれが適当かわからなかったので相談しながら何冊か出してもらった。この日のお姉さんは3歳の子どもがいるという、わたしより少し年上かな?って感じの人で、選んでいる時に「絵本は子どもの年齢にあったものを、というよりも、最終的にはあなたがいいなぁと思うものを贈るのがいちばんよ。だってあなたがいいと思わない絵本をこどもがいいと思うと思う?」って言われたのがなんか良かったです。対象年齢という文句がよく絵本の分類にあるけど、その子にとって読めなくても絵が気に入って眺めるかもしれないし、その子にとって簡単すぎる文章でも見ているだけで楽しいものだってあるし。そっかーそうだね、という感じで気持ちよく選べました。ありがとう、お姉さん!


ところで、ボン・マルシェでも、その後行ったギャラファでもプランタンでも夫のお土産を買おうと思っているショップが入っていない。。。!!!そういえば日本のデパートでも入ってないかも?あんまり見かけないし。
と思って困った時のiPhone様、と検索。ショップが2件ヒットするも、両方エティエンヌ=マルセルで近くない(ポンピドーの方)。明日にするか〜とあきらめ、荷物も重いし、一旦Mちゃんちに帰ります。


夜は、わたしのリクエストでムール貝!しかもレオンのムール貝!ということで、バスティーユのレオンに行く(いつもマビヨンのレオンにしか行かないのでここは初めて)。

わたしは普通の味の、Mちゃんはプロヴァンサルを注文。あ〜美味い。レオン、日本にも支店作ればいいのに。
ストラスブール旅行での電車立替金を返却すべく、せっせと支払いをしているのにわたしもMちゃんも比較的小食なので全然返し終わらない。今夜のレオン代をわたしが全額立て替えてもなお返済額が残る。食事代が安く済ませられすぎているのか、はたまた電車代が高すぎるのか、どっちだ!?