ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

パリ旅日記<5日目>

◯。2010年2月26日(金):ひとり旅1日目
目覚ましをかけずに寝たら、10時に起きた。でもなんか早起きした気分になる。夫から「無事帰国〜」というメイルを貰ったので朝食を食べながら返信。そして洗濯と乾燥機。


13時過ぎに部屋を出て、オペラ地区で両替*1をしてからオテル・ド・ヴィルへ。まっすぐ地下階の靴ケアコーナーへ。日本から履いて来た薄い茶色(メーカー呼称は「煙草色」)のブーツが、パリ到着日の雨で雫の痕がついてしまっていたのだ。ずっと日陰に置いてたから分かんなかった〜ショック!クリーナーと靴クリームでどうにかなるかな〜と心配しながら、たくさんある商品をチェック。
フランスの靴ケアコーナーでびっくりするのは、まずクリームの色がものすごく多いこと。赤い靴クリームとか黄色の靴クリームなんかもあるからね。透明/茶/黒の3色しか無いと思っていた頃のわたしには、ほんとにカルチャーショックな売り場だったものです。
で、ペースト状のクリーナーしか今まで使ったことが無かったんだけど、 Savon pour cuir という商品が何種類かあるのを発見。その名の通り、サヴォン(石鹸)らしい。説明書きを読んでみると、①靴の汚れを落とす ②スポンジにH2Oを含ませる(←何故か水と書かれず元素記号) ③そのスポンジで靴をこすり洗いする ④8時間乾かす ⑤ブラッシングして整える 以上。
えー革靴と水を会わせちゃう!?でも1社だけでなく何社も同じようなサヴォンを出している、ということはポピュラーな手入れ法なのか!?説明書きだけでは不安は消えず、とりあえず店員さんに「雨の日に履いてしまった革靴の表面に染みができちゃったんだけど、何かおすすめはある?」と質問すると、やっぱりサヴォンを勧められた。「山羊革のブーツなんだけど、それでも平気?」と聞くと「どんな革でもOKだよ」と自信満々なお答え。ほんとかなーここの人たちたいした根拠無くても自信満々だからなー。とはいえ何もしなければ染みが残ることには変わりがないので、試してみることに。サヴォンの他に栄養クリームも一緒に購入。蘇れ山羊ブーツ!


靴用品を買った後しばらくBHVの中をうろうろして、15時少し前に市庁舎前へ。久々にTと再会。彼が日本に一時帰国してる時に、一緒に展覧会に行って以来だ。わたしのリクエストでマリアージュ・フレールサロン・ド・テに行く。ケーキはあっさり決まったんだけど、紅茶が選びきれない!100種類以上あるんだもの。各種類の紅茶が説明されている本(ていっても文章がほぼポエムなのであまり説明になっていない)と対応させながら迷って迷って、「今あたし旅行者だからこれ」と、 Voyageur というお茶にしました。あっさりした、紅茶らしいお茶でした。ていうか多分、スモーキーなのとか花が入ってるとかじゃ無い限り、このVoyageur以外のお茶が来てもよくわかんないと思う。
ケーキはしっとりチョコレートのタルト・オ・ショコラにしました。すっごい濃厚。お茶選び正解。よくよく味わってると、紅茶がチョコに練り込んであるのか、鼻に紅茶の香りが抜ける。美味しすぎる。でも2個食べたら鼻血が出ると思う。

17時にTとお別れし、彼はBHVへ。わたしは閉館まであと1時間だからいけるかな、ということでオランジュリー美術館へ行くことに。

オテル・ド・ヴィルから1番線で一本、チュイルリー駅で下車。チュイルリー庭園の中を散歩しながらオランジュリー美術館へ向かう。わたしの留学中はずーーーーっと工事をしていた美術館で、帰国した年にリニューアルオープンした所だ。
モネの《睡蓮》連作と、ギョーム・コレクションという無敵のパーマネントコレクションが魅力だが、企画展「 Les enfants modèles」も面白かった*2ベルト・モリゾの作品は微笑みを誘う温かな視線が気持ちよく、相変わらず素敵な作品。ピカソがクロードに着せたピエロの衣装そのものと、そのときの油彩画が並んで展示されているのも良かったです。ピカソが衣装をそのまま描いているわけではなく、しましまの部分を無地に変えることで子供の存在そのものを強調しているんだなと思いました。
Bunkamuraでやったオランジュリー美術館展でグッズ販売の売り子バイトをしたのだけど、その時に見た作品と再会。やっぱりモディリアーニの《ポール・ギョームの肖像》はいいなぁ。ルソーが楽しみだったんだけど、残念ながらルソーはバーゼルにお出かけ中でした。。。

18時少し前に「閉館でーす」というアナウンスが入る。監視の人たちが入り口方向を塞ぎ、どんどん出口に進まされる。外国の美術館てだいたいどこでも「ほら出て出て」と追い立てをするんだけど、これやられる度に牧羊犬と羊を思い出しちゃいます。常設も企画も見終わってよかったけど、もうちょっと早くくれば良かったかなと思いながら外へ。時計を見ると17時55分。あれ、まだ18時じゃないじゃん。「18時閉館」って、”客が出るのが18時”じゃなくて、”美術館のドアを閉めるのが18時”なんだね。もしかしてスタッフが「お疲れ〜」って出るのが18時?そんなあっさりした感じも好き。


オランジュリーを出てコンコルド広場を見渡す。はー気持ちいい。エッフェル塔の方を向くと、ちょうど日が沈む所。暗くなる前に帰ろう〜。そしてブーツケアしよう〜。
    

*1:観光スポットなので両替商が多い。何店か見て一番レートの良かったところでシャンジュ。1,00EUR=129円でした。ここ以外のお店は130円出てた。

*2:2009年11月25日〜2010年3月8日