ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

バレエ Étoiles Gala 2008 Bプログラム

仕事の休み日にあたったのであわててチケットを取った、8日(金)のBプログラムを見てきました。はぁ〜行けてよかった☆結果的にBプロ→Aプロの順に見ることになったけど、ガラ公演なので順番は関係ない。お菓子のアソートみたいなものなので、好きなものだけ選んで見ることだって可能(出入りは面倒だけど)。
この日は朝から目医者さん(コンタクトレンズ定期健診)→ Bunkamura le cinema でルコントの映画≪僕の大切な友達≫鑑賞、そして締めはバレエBプログラム、という一日だったので、病院以外ずっと渋谷Bunkamuraから動かない一日でした。この夏一番の猛暑日だったし、休憩にぴったりなドゥ・マゴがあるからいいけどね。ドゥ・マゴのカフェ・オ・レは実はポットサービスだから好きv(冬なら絶対ショコラ・ショー頼むんだけど、なんせ夏なんで。)


さて、今回途中でキャストが3人入れ替わって演目も大きく変更になったガラ公演。ルグリ出演になったのを実は知らずに会場に行ったので、2つ目の演目を見た瞬間「えールグリ!?」と驚く、情報に遅いわたし。もう40歳超えてるだろうのになーなんて思ってたんだけど(案の定1964年生まれだって!)、いやもーさすがヌレエフバレエの後継者、何の問題もなさそうな、安定した美しさでした。実はわたしはルグリを生で見るのはこれが初めてだったのですが、テクニックにも衰えを感じさせない、むしろ抒情が増してる、さすが進化する“グラン”エトワールです。


☆★2008年8月8日19時からの、エトワール・ガラ2008 Bプログラムの内容はこちら★☆

  • ≪眠りの森の美女≫より「青い鳥」
    • 振付:M.プティパ
    • 音楽:P.I.チャイコフスキー
    • 踊手:メラニー・ユレル、アレクサンドル・リアブコ
  • ≪モーメンツ・シェアード≫
    • 振付:R.V.ダンツィヒ
    • 音楽:F.ショパン
    • ピアノ:上田晴子
    • 踊手:エレオノラ・アバニャート、マニュエル・ルグリ

15分休憩

  • ≪瀕死の白鳥≫
    • 振付:M.フォーキン
    • 音楽:C.サン=サーンス
    • ピアノ:上田晴子
    • 踊手:マリ=アニエス・ジヨ
  • ≪ドリーブ組曲
    • 振付:J.マルティネス
    • 音楽:L.ドリーブ
    • 踊手:エレオノラ・アバニャート、マチアス・エイマン

15分休憩

  • ≪トリオ≫
    • 振付:S.L.シェルカウイ
    • 歌:C.ブランコ
    • マリ=アニエス・ジヨ、イリ・ブベニチェク、アレクサンドル・リアブコ
  • ≪マノン≫ 第1幕第2場より パ・ド・ドゥ
    • 振付:K.マクミラン
    • 音楽:J.マスネ
    • 踊手:スヴェトラーナ・ルンキナ、マニュエル・ルグリ

○o。以下個人的な感想です。

▼≪眠りの森の美女≫より「青い鳥」
ん〜ダメ。。。ユレルが良くない。リアブコは若々しく大きなグラン・ジュテを見せてくれるんだけど、ユレルがねー。。。もっとうまいはずなんだけどなぁ。パの音がすごく気になった。あと華やかさが足りない。あのメンバーの中で華やかさを出せって言うほうが難しいのだろうけど。

▼≪モーメンツ・シェアード≫
先にも書いたように、ルグリが出るの知らなかったので、ほんとびっくりしました。アバニャートのしゅっとした高貴な顔、滑らかなシルクのような踊り、それをしっかりサポートする若々しいルグリ。息をするのを忘れる美しさでした。青い鳥を見て「今回のガラ公演だめかも」って思ったの、返上。

▼≪白鳥の湖≫ 第2幕より
湖のそばで出会った王子とオデットの踊りの場面ですが、ん〜2人の息がそんなに合ってなかった気がします。個人的にガニオが好きでないせいでそう見えるのかも知れないんだけど、ルンキナのかよわい美しさを引き出し切れてなかったように見えました。そのせいでルンキナの魅力もちょっとダウン。でも初対面のシーンだし、むしろ息が合ってないほうが物語的には正しいのか??

▼≪ロミオとジュリエット≫ 第3幕より 寝室のパ・ド・ドゥ
可もなく不可もなくって感じ。王道を見せられたような。あ、でも生々しいエロさはありました。アッツォーニの魅力だと思う。


休憩をはさんで、プログラムでは≪ドリーブ組曲≫のはずなんだけど、どう聞いてもカノン。というわけで順番が変更になったようだ。


▼≪カノン Canon in D major≫
男性3人のトリオで踊る、モダンバレエ。ブベニチェクは自身の振り付けだからね、そりゃうまさが際立つ。リアブコがかなり良かったです。ガニオは、ごめんなさい、ほとんど目に入りませんでした。わたしの眼はブベニチェク70%、リアブコ30%で追ってました。

▼≪瀕死の白鳥≫
今回Bプログラムを見なくちゃ!って思ったのはこの演目があったからなのですが、期待と同時に不安もたくさんありました。だってジヨ、体型がごついんだもの、瀕死に見えないんだもの。
その不安は的中。やっぱり最後まで瀕死の状態には見えなかった。。。でもバックで登場する冒頭のシーンで、その腕の動きのしなやかさにはやはり圧倒される。ジヨはモダンのほうが似合う人ですが、やっぱりクラッシックを抑えているからなんだなぁというのが改めて感じられました。でもやっぱり死にそうには見えないのです。。。
ピアノの生演奏で踊るのはとっても良かったです!

▼≪マーラー 交響曲第5番 アダージェット≫
良かったと思います。すっごくイイ!って言うわけじゃないんだけど、でも小粒に上出来って感じがしました。

▼≪ドリーブ組曲
この組曲は良かったです!アバニャートとエイマンの絡みも、ソロも、どちらも良かった!何度もカーテンコールするのも納得。


また15分間の休憩をはさんで、ラスト2演目。まずはモダンから。


▼≪トリオ≫
プログラムでは≪デュオ≫だったんだけど、リアブコが加わった3人構成になっていました。先ほどの≪瀕死。。。≫を取り戻すかのような、生き生きとしたジヨの踊りが素晴らしい。やっぱり彼女は死に面してもがくのではなく、潔さを表現するほうが似合う。二重になったドレープの美しすぎる衣装、それを服のようにまた布のように扱うその見せ方も抜かりなく美しい。
これまたブベニチェクが素晴らしくしなやかで大きく柔らかく踊るのだけど、リアブコもなかなか。男性二人のパ・ド・ドゥも非常に野性的かつセクシー。個人的にはラストの≪マノン≫よりこっちをエンディングにしてほしいくらい。


≪マノン≫ 第1幕第2場より パ・ド・ドゥ
ルンキナとルグリが踊る古典。テクニックそのものは文句なし、も・・・っのすごくロマンティックに踊るんだけど、ルンキナが清楚すぎて小悪魔(悪魔?)マノンに程遠いのが。。。あとルグリがリアルに若者じゃないってとこが微妙に引っかかる。普通に分別のある大人の男に見えるので、マノンすら手玉に取りそう。

さて、明日のAプログラムも楽しみですvvv