ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

ヘンリー・ダーガー展

先週の話ですが、久々に原美術館に行ってヘンリーダーガー 少女たちの戦いの物語―夢の楽園を見てきました。アウトサイダーアートには明るくないので全くチェックしていなかった展覧会でしたが、品川散歩のコースに組み込まれていたので見学。楽しかったです。伊藤潤二楳図かずおを掛け合わせてペドフィル要素を盛り込んだ、みたいな作風でした。

Henry DARGER(1892-1973)
1892年4月12日シカゴ生まれ。4歳になる直前に生母と死別、さらに8歳で父親とも死別し、カトリックの少年施設に入れられ、そこで少年期を過ごす。12歳の頃、感情障害の兆候が現れたという理由で知的障害児の施設に移される。
16歳で施設を脱走、皿洗い兼掃除人として働き始める。19歳の時『非現実の王国で』の執筆を開始。執筆はダーガーの死の半年前まで続けられた。
ニューバウハウスの一人でもあったネイサン・ラーナーに支えられつつもひとりきりの生活を生涯続け、1973年4月13日死去。死後、彼の部屋に描き貯められた作品群がラーナー夫妻によって専門家の手に渡り、以降ダーガーの名が知られるようになる。

ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で

ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で

  
一番最初に展示されている作品以外は、いつ作成されたものなのか、あるいはタイトルがあるのかなど分かっていないため、キャプションはありません。とにかく見る。そして少女たちが何か大きなパワー(髭の生えた成人男性)と戦う場面を追うしかない展覧会。勝ち誇るように花に囲まれる少女たち(その画面はまるでアール・ヌーヴォーのデザイン画のような時がある)は、メリノー種の羊の角が生えていたりして、ちょっと悪魔主義的であるくせに、幼女ピンナップからコラージュされているために天使のような表情でもある。奇妙な世界。
不思議なのは少女達に少年の性器がついていること。実際に見たことないから女の子にも自分と同じものが付いてると思い込んでいたのかな?と思いながら見ていたのですが、しかし作品によっては付いてる子と付いてない子とがいて、何か彼の中で描き分けがあったのかもしれない。(06-05-2007)


2007年04月14日から2007年07月16日まで原美術館にて(ここのwebの見辛さはどうにかならないものかしら。。。)