ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

TOUCH AND SEE展

空から見た地球―21世紀への遺産
土曜日に Yann Arthus-Bertrand のシリーズ写真La Terre vue du ciel (空から見た地球)を、リヨン出身の眼鏡デザイナー alain mikli が、お気に入りの素材であるセルロースアセテートで立体化させた展覧会に行って来ました。4月10日まで、青山スパイラルガーデンでの開催でした。→Touch and See

アルテュス=ベルトランの写真は、おそらくこの(→)ニューカレドニアのハート型の島で見知っている人が多いだろう。アルテュス=ベルトランが世界各地で撮った航空写真をミクリが立体彫刻として再現し、目の見えない人にも写真を感じさせることが目的の展覧会で、ロンドンを皮切りに世界巡回。通常の写真を、キャプションを挟んで白黒の立体写真*1と並べる。キャプションは点字*2で。
正直言って、ぴんと来ない展示だった。何故ならわたしは“目が見える”から。写真家の写真は色彩的に強烈なものが多く、見えてしまう私にはその印象の方が強すぎて、触って感じる繊細さを事前に奪われてしまうのだ。それ故に“目の見えない人が果たして本当にこれで写真を楽しめるんだろうか?”とすら思ってしまった。目の見える人もこの展覧会を楽しむには、まず触らせ、それからカラーのフラットな写真を見るという順序にする必要があっただろう。とは言えキャプションには色々「なるほど」と思うような情報が掲載されていて、その意味では楽しめた。


因みにわたしの持っている眼鏡のひとつはアラン・ミクリのです。フランスで帰国直前に作ったんだけど、鼻の低いわたしは鼻に引っ掛ける部分(一般的には何て言うの?あたしは「鳩」って呼んでるんだけど)が必要だったので、後注文でくっつけてもらいました。注文した時は「鼻に掛ける為のアレ(truc)」と言ったのですが、そのあとフランス語ではこの部分を nez japonais と言うと教えてもらいました。日本(人)の鼻。なんでだよ。

*1:セルロースアセテートを透明な灰色の層板と固体の白層板ではさみ、影の濃さや現実の凹凸の深度に合わせて様々な深さに彫る。深く彫った部分ほど灰色の層板を通して白色が浮き出るようになっている。

*2:日本語部分のみだったけど、点字って世界共通