ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

ファザー、サン

Otets i syn 英題Father, Son
監督:アレクサンドル・ソクーロフ Alexandre Sokurov
ロシア・ドイツ・オランダ・フランス・イタリア、2003年、84分 ☆☆☆☆

母息子の次は父息子の関係を描いた作品(あともう一作を現在製作中で、3部作になる予定らしいです)。《マザー・サン》よりも会話が多くカット割りも細かいため、前作が眠くてだめだったという人も見られるのではないでしょうか。個人的には前作の方が詩的で好きですが。
お互いを大切に思い合いすぎて離れ難くなっている、ある種同性愛関係のような父息子は、いかにして自立していくのか。死に行く母を受け入れた前作とは逆に、生きていく個人というものを扱った今作も、ソクーロフならではの繊細な映像がテーマをより引き立てます。風景描写の上手さは圧巻。(06-05-2004)