ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

王様誰だ?

すっかり書くのを忘れていましたが、今年は1月8日(日)がEpiphanie 公現祭*1でした。このお祭、1月6日限定だと思っていたのですが、来年は1月7日らしい…ということは移動祝日なの?と思って調べてみたところ、基本的には1月6日なのですが、どうやらフランスでは『クリスマスの後の2度目の日曜日を公現祭と定めている』とのことでした(→Wikipedia参照)さてこのエピファニーの楽しみは、なんと言ってもGalette des Rois ガレット・デ・ロワ!1月頭からエピファニー当日の1週間後くらいまで*2売り出される、期間限定のお菓子です。学食のデザートコーナーにすら置かれるほどの人気お菓子で、多分誰もが好き。ものすごく美味しいんだものv今年はちょっとフライングで、エピファニー当日より前に食べました。
ガレット・デ・ロワは中にfrangipane(ケーキに乗せるアーモンドクリーム)を詰めて焼いたパイで、中にfève フェーヴ*3が入っています。フェーヴが入ったパートを当てた人が王様(あるいは女王様)となり、ガレット購入時に必ず貰う紙製の王冠を被って皆から祝福を受けるという慣わし。フェーヴに凝っているパティスリーも数多くあるらしくそのコレクターもいるようですが(les fabophiles*4と呼ばれるらしい)、とりあえず街角パン屋だと変てこなディズニーキャラクター(しかも何でか海の生物だったよ、今年…)だったりして、あんまり可愛くないです。プラスチック製だしね。今年は6パートに切り分けて食べたのですが、切っている最中に「ガツン」……見つけちゃった…。切ないので食べる前に全パートをシャッフルしてから食べました。

このガレット、シンプルな見た目のくせに意外とお高い。パリの街角パン屋の相場は、直径18cmくらいのものが14〜16ユーロかなと思います。でも時々、この大きさでも10ユーロくらいのものがあったりして、「おぉ、お買い得♪」と思って購入すると、あれれ、味が違う。作り物めいたアーモンドの味が強いのです。具体的に言うと杏仁豆腐の味。杏仁豆腐は好きだけど、杏仁豆腐味のガレットは勘弁して〜というわけで、わたしはこの杏仁豆腐味のガレットを“偽ガレット・デ・ロワ”と呼んでいます。同じくアーモンドクリームの入ったパイで Pithiviers ピティヴィエというものがあるらしいのですが、これがわたしの言うところの“偽ガレット・デ・ロワ”なのでしょうか?パティシエの方、お菓子好きの方、誰か教えて!

*1:イエス・キリストが神性を皆の前で示した事を祝う祭。宗派によって差があるらしいが、カトリックプロテスタント派では、東方三博士の訪問をこの日と定めている。

*2:店によりけり。街角パン屋さんなら1月いっぱい買えるかも。

*3:陶製の人形。本来は空豆を指す。

*4:ギリシア語のfaba(=fève)とphilos(=愛好家)から発生した言葉