中世写本・動物誌
国立図書館(フランソワ=ミッテランの方)で1月8日まで開催のLe Bestiaire mediéval展(中世動物誌展)が面白かったのでご紹介。以前行ったサルトル展のような巨大な構成ではないので所要時間は1時間〜1時間半といったところ。
専門外だけど中世の彩色写本を見るのは大好きで、その上動物特集!こんな嬉しい企画は逃せないわ、ということで見てきたんだけど、あーもう可愛かった〜v ライオンの王様に許しを請う狐(でも何となく反省の色なし)とか、ぐっさり刺されてるのに「いややわー何してますのん?」って顔した竜とか、あぁホント2次元の世界の人になってしまいたい…。展示作品は14-15世紀が中心。セクションが5つに分かれていて、その上色分けまでされていました。1) La Creation(青), 2) Le savoir(臙脂), 3) La société(赤), 4) La chasse(若木), 5) La vie quotidienne(黄)。
予習として『ヨハネの黙示録』を一応読んで行ったんだけど(ポスターになっていた作品が黙示録に出てくる怪物だったので)、宗教的な作品は少なかった。第1セクションのみ。まぁ動物誌がメイン=日常生活や狩りの物語中心になるのは仕方ないけど、でも「七つの大罪」の動物をもう少し詳しく見たかったです。神の封印を解く7つ目で7つの角を持つ子羊の作例は1個だけだった。BnFは相当数の宗教関係の写本を持っているだけに、ここぞとばかりに見せてくれればいいのになー残念。
14世紀後半の作品で、シャルル5世のために作られた『梗概イソップ物語』があったんだけど、それのヴァーサル*1がものすっごく繊細で美しかった!アールヌーヴォーなんて遅いよ!とすら思う。16世紀に入ると、写本と言うより絵本みたいな、つまり文字と絵とがその領域を明確に分けていず、見開きページ全体に絵があって、文字は吹き出し枠内に書かれるものが出てくる。個人的には幻想動物が好きなので、最後のセクションの日常的動物(鴨とか牛とか)は流して見て、終了。
↓これを機に読んでみようかな?と思った本↓
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画像はSamson tue le lion avec la mâchoire d'un âne, Guiard des Moulins, Bible historiale, Début du XIVe siècle, Troyes, Médiathèque de l'Agglomération, ms. 59, fol. 143
17時半過ぎにBnFを出て近所のカフェへ。同行のSはビール、あたしはお腹が空いていたのでハンバーガーを食べる。食後のコーヒーは薄くて不味かったけど、バーガーは普通に、フリットは絶妙に美味しかったです。Sにお茶碗をひとつ、緑のチェックのやつを貰った。ありがとうv
*1:装飾された第一文字。イニシアルとも言うが、比較的大きく豪華なものは特別にヴァーサルと呼ばれる。