ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

Ensembre Orchstral de Paris

昨日は、いつものTheatre des Champs-Elyseesにてコンサート。今回あたしはシベリウスが目当て、一緒に行ったSはミヨーが目当てだったので、「フォーレいらね〜」とか言いつつ見にいったんだけど、終わってみればキュキュッとまとまった地味ないいコンサートだったな。

シベリウスは元々好きな作曲家なんだけど、交響曲しか記憶に無いので、劇付随音楽だとこういうものを作るのかーと思いながら鑑賞。それでもシベリウスならではの冷たくきらきら光る感じとか、寒々しい風景とかを感じられる曲だった。なんでシベリウスの曲ってこんなに“北国”を感じるんだろう。音を聞いただけでオーロラとか見えてくると思う。音楽で出来たダイヤモンドみたい。城の門を清めるシーンと、メリザンドが死ぬシーンは同じ主旋律でできているせいか、「ハイおしまいです」って締めくくられる感じがストンと落ち着いた、という印象。糸紡ぎの不安感溢れる音も良かった。

ミヨーの《屋根の上の牛》はベルエポック期のだというのが丸分かりの、めまぐるしく変わる楽しい音楽。女性のファゴットがうまかったなー。ティンパニがトライアングル兼任だったんだけど、一箇所トライアングルたたいてすぐティンパニ、って言うところがあって、ちょっと慌てていて可愛かった。なんか世界各地を旅行した時の映像を、もの凄い早送りで見せられているような気分になりました。
フォーレは先月バレエJoyauxの「エメラルド」で使われていた曲だったので、当たり前なんだけど「あ、おんなじ曲だ」と思ってしまいました。そのお陰で退屈せずに済んだけど、でもバレエの印象が強すぎるので、「あ、ここでロワイヤル」なんて踊りを思い出してしまって音楽に集中できなかった。
コダーイは初めて聞いたんだけど、意外と起伏が激しくて面白かった。ダンス曲、しかも最終楽章はアレグロ・ヴィヴァーチェということで、気持ち良く終わってくれました。ついでにアンコールはラヴェル。んーコダーイのすっきり!で終わって欲しかったな。鉄琴の音は綺麗だったけど。
演奏中は、指揮者ネルソンと打楽器の人に釘付け☆打楽器の眼鏡君が、もうねー、自分が演奏しない時でももうノリノリなの。そして指揮者も凄く動きのある人で、「あーだから指揮台なかったんだね」なんて言いつつ。指揮台あったら絶対足踏み外して落ちてるよ、この人。でもシベリウス、ミヨー、コダーイと、わりと指揮しずらそうな曲をばっちり決めてくれたのできっとすごい人なんだろうな。

指揮者:John Nelson
演奏曲目:シベリウスペレアスとメリザンド、作品46」
ミヨー「屋根の上の牛、作品58a」
フォーレ「ぺリアスとメリザンド、作品80」
コダーイ「ガランタ舞曲」