ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

アレシンスキー展

Pierre Alechinsky - Werke aus Fuenf Jahrzehntenもう終わってしまいましたが、BnFでやっていたPierre Alechinsky(ピエール・アレシンスキー)の展覧会の備忘録。CoBrAコブラ)の活動自体あまりメジャーではないと思っていたので、国立図書館でこんな展覧会があるのかーとびっくりしながら行く。というか、わたし自身もあまりコブラの活動について明るくなかったので、アレシンスキーとコブラの繋がりを良く知らなかったので、ずいぶん勉強になりました。
入場無料の展覧会なのに、ナニこの豪華さ!というのが第一印象。今回に限らずBnFでやる展覧会は、図書館のくせに(失礼)美術館顔負けの展覧会を持ってくるので、いつも唸らせられます。アレシンスキー展ではあるけれども、コブラの活動が大観できるようになっていました。特に書籍制作の面白さをフューチャーしたコーナーには“面白本”がたくさんあって、わくわく。欲しくなるような本ばっかり!作者を忘れてしまったんだけど、「何故わたしは自殺をするのか」という意思表明を表した作品があって、“○○してもだめだし、××してもだめだし、いいこと無いから自殺します”っていうことが書いてあるんだけど、その理由がくだらない(外出すると犬に噛まれるから、とか)のに加えて絵がのほほんとしているので、全然悲愴じゃない(笑)。あと、平面作品で“言葉”をメインにしたシリーズがあって、はっとするような言葉たちが踊っていました(正確に思い出せないので割愛します。思い出したら更新します〜)。

CoBrA
1948年、ベルギーのG.コンスタンとC.コルネイユ、そしてオランダ人のKアペルを中心に、革新的シュルレアリスムの動きからの離脱として、パリで始められた新しい絵画運動。この名前は運動に参加した作家たちがそれぞれ在住していたコペンハーゲンブリュッセルアムステルダムの頭文字から来ている。
具象性を暗示するフォルムを持つが、しかしこの具象はあくまでもシーニュとしてのフォルムに留まり一切のナラティヴィティを引き出さないレヴェルである。筆やナイフを使った大雑把な色彩の配置を特徴とし、表現主義の中でも陽気さと歓喜の表現において一翼を担う。51年解散。

Pierre Alechinsky (1927-)
ブリュッセルに生まれ、国立建築・工芸学校を経て、1949年CoBrAの活動に参加。石版、銅版など様々な印刷技術を駆使して独自のオフセット印刷を追求する。
CoBrAに参加しつつも、次第に独自のナラティヴィティを増し詩的な表現へと傾倒していく。アレシンスキーについてはここ(英語サイト)が一番綺麗に纏まっていたように思います。

パリ5区、Rue Descartesアンリ4世高校の裏手に、アレシンスキーの版画+イヴ・ボンヌフォワの詩が描かれた壁があります。時々見てたんだけど、誰のとか全然知りませんでした。教えてくれた方に感謝!