ふらんす*にちようざっかblog

美術とフランスにまつわる雑話。でも最近は子育てネタばかり。

パリの映画館

“映画は映画館で見る派”なので、フランスでもDVDではなく映画館に行きます(単に家でDVDを見られる環境ではないというのもありますが)。
フランスでは毎週水曜日に新作が公開されるので毎週溢れんばかりの映画が押し寄せてくるのですが、大半はフランス映画です。なので日本に居た時のように世界各国の映画を見る機会は格段に減りました。特にわたしの好きなC級ホラー映画、こちらでは“Serie Z(Zシリーズ)”と言いますが、それが見られないのです。とは言え、逆にクラシックな作品を思いがけなくひょいと上映してくれる点はありがたいです。日本で見たくても見られなかったあの作品が映画館で!という喜びには何度か遭遇しました。

フランスの映画館ではまずGaumontとUGCという2大シネコンがあります。ハリウッド系の大作はそこで上映された後小さい映画館に移ることがよくあるのですが、これはどういう配給の仕組みになっているんだろう?謎です。
この小さい映画館というのが、上映作品の系統で言うと、日本のミニシアターに当たります。こちらで見たほうが先述の2大シネコンで見るより安いことが多いので、わたしは大作の場合は上映館が移動するのを待ちます(節約節約!留学生は貧乏なのです)。
このミニシアターの中でも特にお勧めの館をご紹介します。パリの映画館だけですが…。()内は住所です。

Accattone
その名の通りパゾリーニの作品をコンスタントに上映する映画館。他にはグリーナウェイブルース・ラ・ブルースなどマニア人気な監督の作品を上映します。かなり好き。(20 rue Cujas, 5e)
Cinema le Brady l'Albatros
下町映画館で、わりとエロ系の上映に力を入れています。館内の壁には色んな映画のスティルがコラージュされててちょっとカルトQ(古っ)な雰囲気。(39 bd de Strasbourg, 10e)
Latine
ラテン映画をセレクトして上映する館で、併設でラテンダンスの教室もあります。マレ地区にあるので客層もそこはかとなくゲイゲイしいです。(20 rue du Temple, 4e)
La Pagode
万博の時に作られた変な寺を、現在は映画館として利用。アジアンな異空間の中にあるカフェでは緑茶も飲めて寛げます。(57 rue de Babylone, 7e)
Le Champo - Espace Jaques Tati
ジャームッシュやアルモドバルなど、有名なインディペンデント監督の特集上映をよくしてくれる、素晴らしい映画館。(51 rue des Ecoles, 5e)
Lucenaire
上映作品の良し悪しはまちまちですが、映画館の他に古本屋、芝居小屋、カフェが平行運営されているのでいい雰囲気です。映画見てお茶して芝居見て帰る、なんていかがでしょう?(53 rue Notre-dame-des-Champs, 6e)
Studio Galande
ここは金・土の夜にThe Rocky Horror Picture Showをやることで有名。色んな仮装をした人たちが来ます。それ以外の上映作品も良いです。(42 rue Galande, 5e)

あとこちらはシネコンですが好きです。

MK2 Beaubourg
特にマチネで面白い作品を上映してくれることが多いのでチェックが欠かせません。(50 rue Rambuteau, 3e)
MK2 Bibliotheque
椅子がフィリップ・スタルクデザインのラヴチェアー(2人掛けの肘あてが取れる)です。新国会図書館と併せてデートにいいかも。

まだ行ったことがないけど必ず行きたい映画館

Studio 28
コクトーが内装デザインだったかな?で有名な、古きよきパリを感じさせる映画館、らしいです。行きたい。(10 rue Tholoze, 18e)